logo

チャドド

~ #人気インフルエンサー少女の物語 ~

「チャドドのデビューvlog!?
これは面白いコンテンツになりそう!」

「ドードー鳥のみんな、こんにちは!」

今日のコンテンツはフェリーラ初試乗、get ready with me!
この前からスポーツカーが欲しいって、ずっと言ってたでしょ?だから、パパの耳元でずっと言っていたの。そしたら、昨日パパが、拾ってきたんだって車のキーをくれたのよ!今年もお疲れ様って、私にプレゼントだって。ぐすん…。
パパ、愛してる!アイラブユー♡それでは、愛車試乗のため get ready with me、行ってみよう!

「どんな服を着たらドードー鳥たちは喜ぶかな」

チャンネル登録者101万人のプロのクリエイターとしては、ファンのみんなの好みを当然意識しないとね。私は、慣れた手つきでゴープロを持ちドレスルームに入った。ドードー鳥たちは多分私が何を着ても喜んでくれるけど、いつだって少しでも可愛く思われたい。悩んだ末、さり気ないロゴが目を引くダオールの白いホルターネックのトップスに軽く肩にかけるシャメルの黒いウィンドブレーカーを選んだ。

「今日は私が好きなカジュアルな服装よ。私はペーパードライバーでしょ。服くらいは楽なものに
   すれば運転がうまくなりそうな感じなの、みんなも分かるよね?」

片手にはゴープロ、片手にはフェリーラのキーをじゃらじゃらとさせて鏡の前でポーズをとった。出かける前に全身ミラーで今日のファッションを見せるのは動画クリエイターの鉄則。

「それでは、私の愛車に会いに行きましょう!」

***

約6時間後。

「ドードー鳥のみんな、ついに初試乗終了!家の駐車場に着きました。
   運転するのが楽しくてあっという間に時間が過ぎました。何といっても今日一番
   うれしかったのは、運転中にドードー鳥に会ったこと!
   信号にひっかかった時、隣の車線の運転手がドードー鳥でした。新しい車に乗って
   出かけて、隣の車の運転手が私のファンだという確率ってどのくらい?!
   これはもうドードー鳥とチャドドは完全に運命でしょう?次回は一緒にドライブしましょう!
   もっと一生懸命、運転の練習しますね!
   今日も観てくれてありがとう。次回の動画でお会いしましょう!」

カメラは止めても、プロインフルエンサーの仕事はこれからだ。

「写真をアップしないと」

私は赤い革のシートに座ってポーズを決めて写真を何枚か撮った。

#ペーパードライバーじゃない #パパからのプレゼント
#チャドド #ドードー鳥のみんな愛してる

ハッシュタグをつけて写真をアップロードした瞬間、メッセージの受信音が鳴った。

「チャドド様、本日試乗目的でレンタルされたフェリーラSC900(車両ナンバー67**)の
   返却時間が過ぎています。お早めに返却をお願いします。」

うむ、とにかく撮影終了!

***

はぁ、今日もつらいプロインフルエンサーの1日が終わろうとしている。栄養クリームを塗って、ナイトスキンケアのルーティンを終え、鼻歌を歌っていた。
ドードー鳥たちが喜んでくれることを考えたら、既にもう幸せだ。面白いコメントもたくさん来るはず。私はドードー鳥たちに愛されることが世界で一番うれしい。正直になれない時もあるけど、ドードー鳥たちを愛する気持ちは本当だ。

「より多くのドードー鳥たちに会う方法はないかな?」

どうしたらドードー鳥たちにもっと楽しんでもらえるか悩みながらベッドに横になった。そしてルーティン通り、映像のモニタリングをするためにスマホで動画サイトを開いた。

ジジジ…

急にスマホの画面から目を開けられないほどの強烈な青い光が流れ出た。光はすぐに巨大な塊となり、音を出して回転し始めた。

『より多くのドードー鳥たちに会いたい?』

光の中から、ある少女が私に話しかけた。私は夢を見てるの?

『夢じゃないわ、チャドド。アイドルになったら、もっと多くのファンに会える。
   想像してみて。あなたを待っているファンたちを。』

ドードー鳥たちがコンサート会場を埋め尽くし、そこにみんな一緒にいたら…
どれほど多くのドードー鳥たちが私に会いに来る?想像しただけで胸がいっぱいになった。借りた車なんかで愛されるのではなくて、ただ私そのものを。

『どう?私と一緒にデビューしに行かない?』

チャドドのデビューvlog!?これは、面白いコンテンツになりそう!私は声に導かれるまま、青い光の中に足を踏み入れた。

その瞬間、青い光が私を完全に飲み込んだ。




~ #人気インフルエンサー
少女の物語 ~

「チャドドのデビューvlog!?
これは面白いコンテンツになりそう!」

「ドードー鳥のみんな、こんにちは!」

今日のコンテンツはフェリーラ初試乗、get ready with me!
この前からスポーツカーが欲しいって、ずっと言ってたでしょ?だから、パパの耳元でずっと言っていたの。そしたら、昨日パパが、拾ってきたんだって車のキーをくれたのよ!今年もお疲れ様って、私にプレゼントだって。ぐすん…。
パパ、愛してる!アイラブユー♡それでは、愛車試乗のため get ready with me、行ってみよう!

「どんな服を着たらドードー鳥たちは喜ぶかな」

チャンネル登録者101万人のプロのクリエイターとしては、ファンのみんなの好みを当然意識しないとね。私は、慣れた手つきでゴープロを持ちドレスルームに入った。ドードー鳥たちは多分私が何を着ても喜んでくれるけど、いつだって少しでも可愛く思われたい。悩んだ末、さり気ないロゴが目を引くダオールの白いホルターネックのトップスに軽く肩にかけるシャメルの黒いウィンドブレーカーを選んだ。

「今日は私が好きなカジュアルな服装よ。私は
 ペーパードライバーでしょ。服くらいは楽な
 ものにすれば運転がうまくなりそうな感じなの、
 みんなも分かるよね?」

片手にはゴープロ、片手にはフェリーラのキーをじゃらじゃらとさせて鏡の前でポーズをとった。出かける前に全身ミラーで今日のファッションを見せるのは動画クリエイターの鉄則。

「それでは、私の愛車に会いに行きましょう!」

***

約6時間後。

「ドードー鳥のみんな、ついに初試乗終了!
 家の駐車場に着きました。運転するのが楽しくて
 あっという間に時間が過ぎました。何といっても
 今日一番うれしかったのは、運転中にドードー鳥
 に会ったこと!
 信号にひっかかった時、隣の車線の運転手が
 ドードー鳥でした。新しい車に乗って出かけて、
 隣の車の運転手が私のファンだという確率って
 どのくらい?!
 これはもうドードー鳥とチャドドは完全に運命
 でしょう?次回は一緒にドライブしましょう!
 もっと一生懸命、運転の練習しますね!
 今日も観てくれてありがとう。次回の動画で
 お会いしましょう!」

カメラは止めても、プロインフルエンサーの仕事はこれからだ。

「写真をアップしないと」

私は赤い革のシートに座ってポーズを決めて写真を何枚か撮った。

#ペーパードライバーじゃない
#パパからのプレゼント
#チャドド #ドードー鳥のみんな愛してる

ハッシュタグをつけて写真をアップロードした瞬間、メッセージの受信音が鳴った。

「チャドド様、
 本日試乗目的でレンタルされたフェリーラSC900
(車両ナンバー67**)の返却時間が過ぎています。
 お早めに返却をお願いします。」

うむ、とにかく撮影終了!

***

はぁ、今日もつらいプロインフルエンサーの1日が終わろうとしている。栄養クリームを塗って、ナイトスキンケアのルーティンを終え、鼻歌を歌っていた。
ドードー鳥たちが喜んでくれることを考えたら、既にもう幸せだ。面白いコメントもたくさん来るはず。私はドードー鳥たちに愛されることが世界で一番うれしい。正直になれない時もあるけど、ドードー鳥たちを愛する気持ちは本当だ。

「より多くのドードー鳥たちに会う方法は
 ないかな?」

どうしたらドードー鳥たちにもっと楽しんでもらえるか悩みながらベッドに横になった。そしてルーティン通り、映像のモニタリングをするためにスマホで動画サイトを開いた。

ジジジ…

急にスマホの画面から目を開けられないほどの強烈な青い光が流れ出た。光はすぐに巨大な塊となり、音を出して回転し始めた。

『より多くのドードー鳥たちに会いたい?』

光の中から、ある少女が私に話しかけた。私は夢を見てるの?

『夢じゃないわ、チャドド。
 アイドルになったら、もっと多くのファンに
 会える。想像してみて。あなたを待っている
 ファンたちを。』

ドードー鳥たちがコンサート会場を埋め尽くし、そこにみんな一緒にいたら…
どれほど多くのドードー鳥たちが私に会いに来る?想像しただけで胸がいっぱいになった。借りた車なんかで愛されるのではなくて、ただ私そのものを。

『どう?私と一緒にデビューしに行かない?』

チャドドのデビューvlog!?これは、面白いコンテンツになりそう!私は声に導かれるまま、青い光の中に足を踏み入れた。

その瞬間、青い光が私を完全に飲み込んだ。